ナガシマモク
Sargassum segii Yoshida

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6月
2月に採集した個体
主軸がほとんどなく,葉の形状は夏期と異なる
8月
付着器
先端部の葉
 体はふつう1mくらいになる。

 付着器は直径1.5cmくらいの円錐状であるが,縦に浅い溝が数本あって仮盤状に近い。茎は円柱状で短く,付着器からわずかに突出する。主枝は茎の先端かららせん状に出る。

 主枝下部の葉は交互に出て,長楕円形から狭披針形で,基部は楔形,先端は丸く滑らかで,長さ10cm,幅1.5cmになる。葉の柄はかなり下向きに出る。主枝上部や側枝につく葉は小形になり,中肋は分からなくなる。

 気胞は短い柄を持ち,長楕円形または倒卵形で,大きいもので長さ1−1.7cm,直径3−5mmあり,冠葉をつける。体の上部に作られる気胞は細くなり,線状の冠葉をつける。

 雌雄異株。秋から冬にかけて成熟する。

 ナラサモと同様に葉は主軸に対して横向きに付いていて,標本を作るときに台紙に載せると紙にぺたっと平らに付く感じ。

 外海の波の良くあたる岩盤に生育し,水深10mまでの漸深帯に多い。

 三重県特産。

 和名は紀伊長島からとられたようですが,現在は紀伊長島町では見られないようです。最近見た場所は,五ヶ所湾と志摩半島周辺です。