ヒトエグサ
Monostroma nitidum Wittrock
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松阪市のヒトエグサ養殖場
 通常見られるのは配偶体で,体色は鮮やかな緑色。高さ10−20cmくらいで,ほぼ円形である。基部付近から放射状に皺がより,縁は波うつ。体は膜状で柔らかい。和名は配偶体の体が一層の細胞でできていることからついたらしい。

 胞子体は球形の袋状で微小(60−70μm)。

 喜田・前川(1994)はヒトエグサとヒロハノヒトエグサは明確に区別できず,ヒトエグサは外海型で,ヒロハノヒトエグサは内湾型であるとした。内湾型は大きくなり縁の波縮が少なく,穴があくことがある。食用となり,三重県の生産量が全国の60−70%を占める。ノリの佃煮の原材料となるほか,乾燥したものをみそ汁にいれて食べる。

 潮間帯上部に生育する。

 本州太平洋岸中・南部,瀬戸内海,本州日本海岸南部,九州,南西諸島,朝鮮半島,中国。