ミル
Codium fragile (Suringer) Hariot

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体は直立し,通常叉状に枝分かれして,枝はみな同一の高さになる。高さ30−40cmまたはそれ以上になる。手触りは少し固めのフェルトのよう。小嚢の先端がとがっているのが特徴。

 松の葉によく似ているので海松の漢字を当てたと言われている。また,ミルは海松文(みるもん)として文様化され平安時代の貴族の衣装に使われていた。

 ミルの色は海松色(みるいろ)として明治の初期まで使われていた色を表す。ミルの仲間をはじめとする,深所に生育する緑藻は,他の緑藻や陸上植物と光合成色素の組成が違う。これらは緑色光を吸収するためのシホネイン,シホナキサンチンという色素を持っている。この色素は生体中では赤色をしているため,体色がくすんだ緑色,すなわち海松色になる。食用になる。

 低潮線付近の岩礁上にしばしば大きな群落を作る。

 本州,四国,九州および朝鮮半島,太平洋,オ−ストラリア,インド洋,大西洋。