ヨレモク
Sargassum siliquastrum (Turner) C. Agardh

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付着器
葉と気胞
 体は2−3mの大きさになる。

 付着器は円錐状で直径3−4cmになる。付着器から1本の茎を生ずる。茎はで直径約3mm,高さ約3cmの円柱状で,数回枝分かれする。主枝は茎の頂部から生じる。主枝の縁は鋭く平滑で,細い尖った枝状の突起を持っている。

 主枝基部に出る葉は基部が下向きである。葉は楕円形から披針形で長さ3−4cm,幅1−1.5cm,縁辺は滑らかで質はやや硬い。中肋は埋まっている。上部の葉は大形で長さ10cm,幅1−1.5cmで縁辺に鋭いギザギザを持つ。

 気胞は楕円体から倒卵形で大きいものは長さ1cm,直径8mmになる。頂端は尖るか,長さ3cmくらいになる冠葉をつける。末端部の気胞は小形で細長い紡錘形になる。

 雌雄異株。春から初夏にかけて成熟する。

 生きているときは水中でしばしば青い蛍光色に見える。

 ノコギリモクヨレモクモドキと似ている。ヨレモクは,付着器があまり大きくない円錐形であること,主枝の断面が三角形であり,また主枝が基部近くで大きくジグサグしていることで区別できる。正直言って,これらの海藻は下半身が無いと私には区別は困難です。

 低潮線付近から漸深帯の水深数mの範囲の岩盤に生育する。

 北海道東部と三陸沿岸を除く日本各地;朝鮮,中国。